~CB90君のまとめ~
さて、前回の記事で紹介したように奇遇にも私の手に渡ってきたCB90です

渡ってきた当初は長年屋内で保管されていたとはいえ全体的に錆が出ており、一回バラバラにして錆落としをしてり、ピカールでピカピカにしてあげたりしました。
バイク屋のおっちゃんの言うとおりエンジンは一発始動、アイドリングも落ち着いておりたいへん乗りやすく楽しいバイクでした。
しかし、CB90くんとの初めてのツーリングの際、家から100キロほど離れた場所でエンストしてしまいエンジンがかからなくなってしまいました。
このCB90君は6ボルトのポイント式バッテリー点火方式なのでカブ君とは違ってバッテリーが上がってしまうとエンジンをかけることが出来ません、始動が出来なかったためJAFを呼んで帰宅しました。
家に帰って電装系を調べてみた結果セレン整流器が壊れていることが判明しました。
古い6V電装のバイクにはセレン整流器はよく使われており、ステーターコイルで発電された交流の電気を直流に変換してくれる役割を持っていますが、セレン整流器が壊れると交流を直流に変換すること(このことを整流といいます)が出来なくなります。
しかしこのセレンというものは現在では既に過去の遺物と化しており、現在はもっと安価でコンパクトなサイズで耐久性にも優れるブリッジダイオードというもので代用ができます。
ちなみにバイクの電装系を語るにあたって、どうしても覚えなければならない2つの言葉があります。
1つは【レギュレーター】
2つは【レクチファイア】
です。
ものすごく簡単に書くと
【レギュレーター】は電圧をバイクに合った電圧に調整するもの『12Vのバイクなら12v、6Vのバイクなら6Vに』
【レクチファイア】は交流の電気を直流に変換するもの
です。
今のバイクは
【交流の電気を発電】→【レクチファイアで整流(直流に)する】→【レギュレーターで12Vくらいに下げる】→【バッテリーに充電】
ですが、昔のバイクにはレギュレーターというものが存在しません。
どうやって電圧を調整しているかというと直接バッテリーに整流した電気を流し込んで半強制的に6Vに調整しています。
CB90ならば
【交流の電気を発電】→【セレン整流器で整流】→【6Vバッテリーに直接流し込んで6Vに変換】
になります、バイクはエンジンの回転数が上がれば上がるほど電圧が上がるので高回転の時だと40v~80vの電圧の電気を発電します、この方法だと高電圧の電流がバッテリーに流れ込むのでバッテリーの希硫酸を時々補水しないとすぐにバッテリーがダメに成ってしまうそうです。
ちなみにこの知識は全てCB90の整備をしながら必死に覚えました(^_^;)
バイクをいじるとこういう知識が少しずつ増えていくのでいいですね。
さて話が脱線しました、セレン整流器が壊れていたのでブリッジダイオードに交換することにしました。
CB90君の発電方法は全波式なのでブリッジダイオードの4本の足すべてを使って配線します。
※短波発電と全波発電の二種類が有りますがざっくり言うと短波発電のほうが発電量が少ないです、カブ君の発電方法は
短波式だそうです。

【左がブリッジダイオードで右がセレニウムレクチファイア(セレン整流器)です】
大きさが全然違いますね、科学の進歩は偉大です。
さて、ブリッジダイオードはそもそもバイク用品ではなく、色々な家電に使われている汎用部品なのでこれをバイクに使えるようにするには簡単な加工をしてあげなくてはなりません。

ブリッジダイオードの端子には
『+』→整流した直流電気の端子
『-』→アース
『~』→ステーターコイルから伸びている交流の線(1)
『~』→ステーターコイルから伸びている交流の線(1)
の4個です。
CB90の場合なら、ステーターコイルからは
黄色→交流配線
ピンク→交流配線
白→ライティングスイッチ系
若葉→ニュートラル検知
が出てるので黄色とピンクのみ使用しますので、両方共順不同で二箇所ある「~」接続します。
そしふアース線の緑を-に接続し、変換した直流を流すための赤白線を+に接続して、車体側のハーネスと接続すれば終了です、簡単な作業です。

ということで充電系も修理が完了したので、改めてツーリングに行ってきました。
さすがCBのネームシップなだけあって、とても加速も鋭く、スポーティなー走行ができます。
トップからもグイグイと加速しますし、CD90にも乗っていましたが全くの別物ですね、エンジン音もホンダが成熟期に参加していたマン島TTレースに使用していたCR110のような、ブァァァァァァンという回転数を上げれば上げるほどシャープな音になっていくエンジン音そっくりです。
帰宅後、キャブからガソリンが滲んでいるのを確認したため、キャブレターをオーバーホールしました。

びっくりしたのですが、この年式のキャブレターって下側のガソリンを溜めておく部分と、ジェット類の付いている上側の部分がネジじゃなくて金属製の棒のようなパーツで組み合わされているだけなんです、これは分解がとても楽でいいです。
さて、OHも終わったのでエンジンを始動しようと、圧縮上死点を出してキックをします。 ポキッ
・・・・・え?

はい、キックスタータースピンドルの根本から折れました。
よく見ると雑な溶接をした形跡があります、恐らく前のオーナーも一度折ってその時に溶接したんでしょう、にしてもヒドイなこれは。
ということで、エンジン載せ替えやキックスタータースピンドルの交換を考えましたが、ヤフオクでエンジン単体の出品はありますが4諭吉ほどの値段でなかなか手が出せません、都合よくキックスタータースピンドルassyだけの出品もあるわけもなく、どうしたものかと悩みます。
バイアルスやcb125sやape等の縦型エンジンと互換性があるそうですが、ネットで調べてもエンジンハンガの位置が異なっていたり、ポイント式だったりCDI式だったり、12V電装のものも有り、エンジンを変えると車体側にも大掛かりな加工やメインハーネスの交換などもしなければならないようです、無駄な出費がどうしても出来ませんので、とりあえずバイク屋のおっちゃんのところに持っていきます。
バイク屋のおっちゃん「げっ!折れたのか」
折れたよ~、どうにかしてよ~
バイク屋のおっちゃん「どうにかしてと言われても、キックスタータースピンドル交換するとエンジン降ろして開けないといけないし、そもそも部品無いしなぁ。参ったなぁ。」
参ってるのはこっちだよ~。
バイク屋のおっちゃん「いやぁ悪い悪い、GS125Eはもう売れちゃって返すのも無理だし、倉庫にある別のバイクを整備して格安で売るから勘弁してよ。そのCB90は元々売り物にならないからあげるよ。」
えっまじ?
バイク屋のおっちゃん「いいよいいよ、好きにしてくれ。マニアになら部品取り車でネットで高く売れるんじゃないか?」
そうね~、ちなみに仮に私がキックスタータースピンドルとかエンジン入手したら、店に持ち込んで交換してもらえたりする?
バイク屋のおっちゃん「すまん、いまシーズンまっただ中で猫の手も借りたいくらいなんだ、冬とかシーズンオフならいいけど・・・」
私乗れないじゃん!まぁ聞いてみただけだけど・・・。
バイク屋のおっちゃん「すまんすまん、それじゃあ暇な時間見て倉庫の在庫見てくるけど、どんなバイクがいい?」
んー、原付二種で壊れた箇所が少なくて日常整備だけですぐに乗り出せるバイクならなんでも。ちなみに旧車のほうがいいな。あっあとホンダ車ね、私ホンダ党だから。
バイク屋のおっちゃん「ジュノオとか?」
( ゚з゚ )旦 :;*.':;ブッ 原付きじゃないしそもそも維持できないわよ!!てかなんでそんな貴重なバイク持ってんのよ!
バイク屋のおっちゃん「いやまぁコレクター魂というか、まぁどっちにしろあげないけどw」
いらんわ!
バイク屋のおっちゃん「んーあとなんか合ったかなぁ、ブリヂストンとかライラックは維持できないだろうし、メグロは調子悪いしなぁ・・・。」
いや、だからホンダで・・・。(てかなんでそんなお宝バイクがポンポン出てくるの)」
バイク屋のおっちゃん「すまん、ちょっと後でから倉庫確認してくるから、めぼしいものがあったら今度連絡するよ。」
んー、りょーかいー。
~~~~~~~~~~~~~~
ということで、このまま私がCB90を持っていても部品調達するためのルートも資金もないため、まだまだ走らせてあげることの出来る新オーナーさんの手に渡ったほうが良いだろうと判断したため減災゛オーナーさんを探し中だったりします。
ちなみに押しがけならエンジンはかかりますが、ツーリング先で毎回押しがけもあれですし、家の盆栽にしておくほどの余裕もないので・・・。
ただCB90くんのお陰でバイクについてとても詳しく慣れた気がします、特に電装系については大分自信がつきました。
詐欺は一体の無難のバイクのオーナーになるのかな?
次回に続く
カブかぶ「厩舎も調子が良ければ今のバイクと同じように全然乗れるわよ、後は部品調達ルートの確保よねぇ」

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渡ってきた当初は長年屋内で保管されていたとはいえ全体的に錆が出ており、一回バラバラにして錆落としをしてり、ピカールでピカピカにしてあげたりしました。
バイク屋のおっちゃんの言うとおりエンジンは一発始動、アイドリングも落ち着いておりたいへん乗りやすく楽しいバイクでした。
しかし、CB90くんとの初めてのツーリングの際、家から100キロほど離れた場所でエンストしてしまいエンジンがかからなくなってしまいました。
このCB90君は6ボルトのポイント式バッテリー点火方式なのでカブ君とは違ってバッテリーが上がってしまうとエンジンをかけることが出来ません、始動が出来なかったためJAFを呼んで帰宅しました。
家に帰って電装系を調べてみた結果セレン整流器が壊れていることが判明しました。
古い6V電装のバイクにはセレン整流器はよく使われており、ステーターコイルで発電された交流の電気を直流に変換してくれる役割を持っていますが、セレン整流器が壊れると交流を直流に変換すること(このことを整流といいます)が出来なくなります。
しかしこのセレンというものは現在では既に過去の遺物と化しており、現在はもっと安価でコンパクトなサイズで耐久性にも優れるブリッジダイオードというもので代用ができます。
ちなみにバイクの電装系を語るにあたって、どうしても覚えなければならない2つの言葉があります。
1つは【レギュレーター】
2つは【レクチファイア】
です。
ものすごく簡単に書くと
【レギュレーター】は電圧をバイクに合った電圧に調整するもの『12Vのバイクなら12v、6Vのバイクなら6Vに』
【レクチファイア】は交流の電気を直流に変換するもの
です。
今のバイクは
【交流の電気を発電】→【レクチファイアで整流(直流に)する】→【レギュレーターで12Vくらいに下げる】→【バッテリーに充電】
ですが、昔のバイクにはレギュレーターというものが存在しません。
どうやって電圧を調整しているかというと直接バッテリーに整流した電気を流し込んで半強制的に6Vに調整しています。
CB90ならば
【交流の電気を発電】→【セレン整流器で整流】→【6Vバッテリーに直接流し込んで6Vに変換】
になります、バイクはエンジンの回転数が上がれば上がるほど電圧が上がるので高回転の時だと40v~80vの電圧の電気を発電します、この方法だと高電圧の電流がバッテリーに流れ込むのでバッテリーの希硫酸を時々補水しないとすぐにバッテリーがダメに成ってしまうそうです。
ちなみにこの知識は全てCB90の整備をしながら必死に覚えました(^_^;)
バイクをいじるとこういう知識が少しずつ増えていくのでいいですね。
さて話が脱線しました、セレン整流器が壊れていたのでブリッジダイオードに交換することにしました。
CB90君の発電方法は全波式なのでブリッジダイオードの4本の足すべてを使って配線します。
※短波発電と全波発電の二種類が有りますがざっくり言うと短波発電のほうが発電量が少ないです、カブ君の発電方法は
短波式だそうです。

【左がブリッジダイオードで右がセレニウムレクチファイア(セレン整流器)です】
大きさが全然違いますね、科学の進歩は偉大です。
さて、ブリッジダイオードはそもそもバイク用品ではなく、色々な家電に使われている汎用部品なのでこれをバイクに使えるようにするには簡単な加工をしてあげなくてはなりません。

ブリッジダイオードの端子には
『+』→整流した直流電気の端子
『-』→アース
『~』→ステーターコイルから伸びている交流の線(1)
『~』→ステーターコイルから伸びている交流の線(1)
の4個です。
CB90の場合なら、ステーターコイルからは
黄色→交流配線
ピンク→交流配線
白→ライティングスイッチ系
若葉→ニュートラル検知
が出てるので黄色とピンクのみ使用しますので、両方共順不同で二箇所ある「~」接続します。
そしふアース線の緑を-に接続し、変換した直流を流すための赤白線を+に接続して、車体側のハーネスと接続すれば終了です、簡単な作業です。

ということで充電系も修理が完了したので、改めてツーリングに行ってきました。
さすがCBのネームシップなだけあって、とても加速も鋭く、スポーティなー走行ができます。
トップからもグイグイと加速しますし、CD90にも乗っていましたが全くの別物ですね、エンジン音もホンダが成熟期に参加していたマン島TTレースに使用していたCR110のような、ブァァァァァァンという回転数を上げれば上げるほどシャープな音になっていくエンジン音そっくりです。
帰宅後、キャブからガソリンが滲んでいるのを確認したため、キャブレターをオーバーホールしました。

びっくりしたのですが、この年式のキャブレターって下側のガソリンを溜めておく部分と、ジェット類の付いている上側の部分がネジじゃなくて金属製の棒のようなパーツで組み合わされているだけなんです、これは分解がとても楽でいいです。
さて、OHも終わったのでエンジンを始動しようと、圧縮上死点を出してキックをします。 ポキッ
・・・・・え?

はい、キックスタータースピンドルの根本から折れました。
よく見ると雑な溶接をした形跡があります、恐らく前のオーナーも一度折ってその時に溶接したんでしょう、にしてもヒドイなこれは。
ということで、エンジン載せ替えやキックスタータースピンドルの交換を考えましたが、ヤフオクでエンジン単体の出品はありますが4諭吉ほどの値段でなかなか手が出せません、都合よくキックスタータースピンドルassyだけの出品もあるわけもなく、どうしたものかと悩みます。
バイアルスやcb125sやape等の縦型エンジンと互換性があるそうですが、ネットで調べてもエンジンハンガの位置が異なっていたり、ポイント式だったりCDI式だったり、12V電装のものも有り、エンジンを変えると車体側にも大掛かりな加工やメインハーネスの交換などもしなければならないようです、無駄な出費がどうしても出来ませんので、とりあえずバイク屋のおっちゃんのところに持っていきます。
バイク屋のおっちゃん「げっ!折れたのか」
折れたよ~、どうにかしてよ~
バイク屋のおっちゃん「どうにかしてと言われても、キックスタータースピンドル交換するとエンジン降ろして開けないといけないし、そもそも部品無いしなぁ。参ったなぁ。」
参ってるのはこっちだよ~。
バイク屋のおっちゃん「いやぁ悪い悪い、GS125Eはもう売れちゃって返すのも無理だし、倉庫にある別のバイクを整備して格安で売るから勘弁してよ。そのCB90は元々売り物にならないからあげるよ。」
えっまじ?
バイク屋のおっちゃん「いいよいいよ、好きにしてくれ。マニアになら部品取り車でネットで高く売れるんじゃないか?」
そうね~、ちなみに仮に私がキックスタータースピンドルとかエンジン入手したら、店に持ち込んで交換してもらえたりする?
バイク屋のおっちゃん「すまん、いまシーズンまっただ中で猫の手も借りたいくらいなんだ、冬とかシーズンオフならいいけど・・・」
私乗れないじゃん!まぁ聞いてみただけだけど・・・。
バイク屋のおっちゃん「すまんすまん、それじゃあ暇な時間見て倉庫の在庫見てくるけど、どんなバイクがいい?」
んー、原付二種で壊れた箇所が少なくて日常整備だけですぐに乗り出せるバイクならなんでも。ちなみに旧車のほうがいいな。あっあとホンダ車ね、私ホンダ党だから。
バイク屋のおっちゃん「ジュノオとか?」
( ゚з゚ )旦 :;*.':;ブッ 原付きじゃないしそもそも維持できないわよ!!てかなんでそんな貴重なバイク持ってんのよ!
バイク屋のおっちゃん「いやまぁコレクター魂というか、まぁどっちにしろあげないけどw」
いらんわ!
バイク屋のおっちゃん「んーあとなんか合ったかなぁ、ブリヂストンとかライラックは維持できないだろうし、メグロは調子悪いしなぁ・・・。」
いや、だからホンダで・・・。(てかなんでそんなお宝バイクがポンポン出てくるの)」
バイク屋のおっちゃん「すまん、ちょっと後でから倉庫確認してくるから、めぼしいものがあったら今度連絡するよ。」
んー、りょーかいー。
~~~~~~~~~~~~~~
ということで、このまま私がCB90を持っていても部品調達するためのルートも資金もないため、まだまだ走らせてあげることの出来る新オーナーさんの手に渡ったほうが良いだろうと判断したため減災゛オーナーさんを探し中だったりします。
ちなみに押しがけならエンジンはかかりますが、ツーリング先で毎回押しがけもあれですし、家の盆栽にしておくほどの余裕もないので・・・。
ただCB90くんのお陰でバイクについてとても詳しく慣れた気がします、特に電装系については大分自信がつきました。
詐欺は一体の無難のバイクのオーナーになるのかな?
次回に続く
カブかぶ「厩舎も調子が良ければ今のバイクと同じように全然乗れるわよ、後は部品調達ルートの確保よねぇ」

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